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「悪魔のささやき・・・。」
May 8, 2016
川に到着すると一台の軽トラが止まっていた。
釣友と別れ、そのまま帰ろうかと思っていたが、渋滞を避けるための時間潰しに気になっていた川に行ってみた。
車を降りて川を覗くと、ちょうどおっちゃんが上がってくるところだった。
「釣りですか?」と聞くと
「ここは人が多いさかいわしはここでは釣らん」
そこで、私は聞いてみた。
この川は初めてなんですが、もっと上流に行ったほうがいいですかね?
おっちゃんいわく
この川で釣るならあと1キロほど上流に行ったら橋があって、そこから釣るやつが多いが、わしは二つ目の橋からか、その上の集落の中からでもええと思うわ!
なるほど、ありがとうございます!と答えて車に戻ろうとすると、あんた、釣りはなんで釣ってる?餌か?ルアーか?と聞いてきたので、フライです。毛バリですと答えると
「フライならここよりもっとええ場所教えたろか!」とおっちゃんが言ってきた!
普通、地元の釣師がどこの誰かもわからん他府県のナンバーの釣人に自分のポイントを教えることなどまずありえない!
確かにあり得ない・・。
でも・・そう分かっていても私はこの、悪魔のささやき・・にも似た、
「もっとええ場所教えたろか!」に実に弱いのである。
数時間後、大きな体力の消耗ともっと大きな後悔と悪態をつきながら・・・
結局あのおっちゃんと出逢った川に戻ってきたのである。そして凝りもせず、おっちゃんが言ってた二つ目の橋から入渓してみたら
なんと1投目からアマゴが釣れ、その後イワナも釣れ出したのである。
「もっとええ場所教えたろか!」のあの川は、
わたしが道を間違ったのか、おっちゃんの説明が曖昧だったのかは今となっては定かではないが、
確かに、どこかにあると信じたいのである。
